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七福神ー由来とおもしろエピソード①
恵比寿・大黒天・福禄寿
幸運を運ぶ動物シリーズ、これまで
馬、象、ウサギ、カエル、猫、鳥、龍を紹介しました。
龍にについて書いているときに、
七福神がのっている宝船は龍の船だ、
ということを思い出しまして、
今回は動物から少し離れて、
「七福神」について紹介してみたいと思います。
パート①と②2回にわけて、
まず①では、恵比寿・大黒天・福禄寿から行きます。
7つの神様をあわせて「七福神」とされたのは室町時代
まずは、7つの神様の名前から。
恵比寿
大黒天
福禄寿
毘沙門天
布袋
寿老人
弁財天
でしたね。
「七福神」とセットで信仰されるようになったのは
室町時代の末といわれています。
鎌倉時代には、まず「三神」。
毘沙門天、大黒天、恵比寿で三神として
信仰されるようになります。
三神としては、ほかに
大黒天、恵比寿、弁財天、などの
組み合わせも増えていき、
その後、7つの神様セットになっていきます。
「7」という数は、
「七難即滅 七福即生」:あまたの災難はたちまち消滅し、多くの福徳に転ずる。
世の中の七つの大難はたちどころに消滅し、七つの福が生まれるということ。
(仁王経に説かれている経文)
「竹林の七賢」:老荘思想の影響を受け、儒教倫理の束縛から離れて、
竹林に集まって酒を飲んだり、楽器を奏でたりしながら、
気ままに自由な議論する7人をいいます。
阮籍(げんせき)・嵆康(けいこう)・山濤(さんとう)・向秀(しょうしゅう)
・劉怜・阮咸(げんかん)・王戎の7人ですが、
7人同時に集まって議論したというわけではないようです
こういった中国の教えの影響を受けていると考えられています。
いろいろな異なるパワーをもつ神様をあつめて、
万事OK,最強!という話ですね。
当時、ほかにも猿田彦や吉祥天の神様
などもあわせる考え方もあったようですが、
定着せずに、「7」で留まりました。
それでは1神1神もう少し、丁寧に見ていきましょう。
恵比寿天:商売繁盛の神様
7神中、唯一の日本の神様です。
日本の神話「日本書紀」「古事記」で
イザナギノミコト(伊弉諾尊)と
イザナミノミコト(伊邪那美)の間の
子、蛭子(ヒルコ)として登場します。
不具の子として、島に流され、流れ着いて
海を凌駕する神となったとされます。
商売繁盛・大漁祈願・五穀豊穣と
商業・漁業・農業すべてを司る
マルチリーダーの存在です。
YEBISU BEER と恵比寿様、そして恵比寿(地名)
恵比寿様のマークで知られるYEBISU BEER.
商売繁盛の神様にあやかったのでしょうか、
なぜ「ヱビスビール」という名前にしたのか、
については明確にはわからないのですが、
東京・恵比寿の地名は、ヱビスビールが
由来となっているのです。
「ヱビスビール」は発売されたのは明治23年。
その後、ビールの積み卸し専用駅、恵比寿停車場を
「ヱビスビール」の名から「恵比寿」という駅
と呼ぶようになりました。
旅客駅としての「恵比寿駅」となったのは、
明治39年のことです。
大好きなCateenさん演奏のCMです。
ゆるゆると幸せな気分になりますね。
大黒天:財運、商売繁盛の神様
大黒天はしばしば、財運・商売繁盛の神様として、
大黒天はインドの神話で、マハーカーラ(=シヴァ神)
が仏教に取り入れられた神様です。
「大いなる(マハー)黒(黒)」という意味で、
「大黒天」とされます。
このマハーカーラが破壊神・戦闘神として
闘いを続ける神様として描かれているために、
時に大黒天は怖い、といういわれる理由です。
仏教では、「天部(てんぶ)」という展開に住む
現世利益の守護神として伝わりました。
明智光秀は大黒天像を拾ったが、捨てた⁈
ある日、光秀は大黒天の像を拾いました。
「大黒様は福神。きっと良いことがあるに違いない」
喜んで持ち帰り、朝晩と拝みました。
それを見た家臣が「福神様は千人の司(つかさ)であるので、
信心されるがよいでしょう。」と進言しましたが、
「ならばこれは必要ない」と光秀が捨ててしまった、
というエピソードがあります。
光秀が大望を持っていたということで、
「本能寺の変・野望説」の根拠にされることがあります。
福寿禄:子孫繁栄・長寿・財運・招徳人望・学術向上
福禄寿は、中国の道教に由来する神様です。
人生で得たいものである
「福(=幸福)・禄(=身分)・寿(=長寿)」
を具現化した存在で、
千歳を超える仙人、
とも、
南極星の化身、
ともいわれます。
福・禄・寿の三つの得をもっているところから、
大きな人徳をもった神様です。
鶴と亀は長寿を象徴する動物として、
たずさえています。
人気浮世絵師の遊び心がおもしろい。
歌川国芳「福禄寿 あたまのたわむれ」(東京都立図書館蔵)
頭の長い福禄寿をユーモラスにネタにした
戯曲です。神様をいじちゃってて、、
国芳さん、なかなかのノリですね。
まとめ
最後の「あたまのたわむれ」。タイトルからして
最高のセンスですね。タイムスリップして
国芳さんにお会いしてみたくなってしまいました。
今回は前半として、恵比寿・大黒天・福禄寿を
紹介しましたが、②に続きますね。