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龍は最高の幸運パワー⁈ー東洋・西洋の神話や由来
幸運を運ぶ動物シリーズ、これまで
馬、象、ウサギ、カエル、猫、鳥を紹介しました。
今回は「龍」です。
龍、というだけでパワーがありそうですね。
龍にまつわる東洋の幸運話からみていきましょう。
中国ー龍(竜)の由来
中国で龍は「神獣」とされ、古くから王権と
深いかかわりがあります。
『史記』の「劉邦(りゅうほう)出生伝説」には、
劉媼が水辺で休息していると、急に雷が鳴り、
周囲は真っ暗になります。
劉太公が行って見ると、龍が劉媼の上に乗っている姿をみます。
その後、劉媼は妊娠し、劉邦が生まれました。
成長した劉邦の容姿は、ひげが美しく、鼻筋が通り、
大きな度量がある性格でした。
このことから龍の血を引く者が皇帝にふさわしいという
伝説が作られ、中国では皇帝のシンボルとして
扱われてきました。
また、自然と共生し、雨、台風、洪水など水をコントロール
するといわれます。
「水神」とみなされましたが、龍が雨を降らせるのは
地位の高い神の命令に基づいている、
と認識されていました。
現在でも、多くの地域で、その信仰は続いています。
「雲は龍に従い、風は虎に従う」という故事があります。
もともとは龍舞は雨乞いのためだったようですが、
今でも中国では旧正月を祝う春節祭で
龍舞がしばしばなされます。
爪の数で位が区別されている
5爪:元の時代に、「五爪二角」(5本の爪と2本の角)
をもつ龍が本物と定義され、五爪二角の龍文が皇帝専用の
文様とされました。皇帝以外の者は使用することを禁止
されます。
4爪:皇族
3爪:役人
一般庶民の暮らしででてくるものは4爪までとなっています。
ブータン王国に根差す龍信奉
ブータンは国を「雷龍の王国」という風に
認識してているのですね。
ブータン国王が来日した時のお話にも、
龍のお話がでてきます。
「自分の龍を大切に」
龍は自分の中にいる、という考え方なのですね。
日本における龍の伝来
日本には弥生時代に中国の影響がはいってきました。
大阪の和泉市にある池上曽根遺跡から、
龍の文様をした土器が出土しています。
土器の映像はコチラ↓でみられます。
日本では、中国のように皇帝のシンボルとして
ではなく、水を司る「水神」として扱われてきました。
「登竜門」「こいのぼり」の由来
登竜門とは、立身出世や成功のための狭き関門のこと
ですね。
なぜ、「登竜門」と言われるようになったかというと、
中国の故事「「急流の滝を登りきる鯉は、登竜門をくぐり、
天まで昇って龍になる」がもとになっています。
江戸時代から新願成就・立身出世の祈願として、
さかんに「昇り龍(鯉の滝登り)」の絵柄は描かれ、
縁起がいいとされていました。
鯉が天に行きついて龍になったということになります。
「こいのぼり」も同様に、江戸中期に出世・成功を祈願して
始まった風習といわれています。
龍踊 (じゃおどり)
龍の踊りとかいて、「じゃおどり」
もともと蛇踊りから変化したようです。
中国の雨乞いの儀式から派生しています。
龍が玉をもとめて乱舞します。
玉は、太陽、月と考えられており、
龍が飲み込むことで、光がなくなり、
雨がくる、ということです。
日照り続きに困った農民の祈りから
始まりました。
今でも長崎の龍踊は有名です。
毎年10月7-9日の3日間行われます。
様子はコチラ↓で見られます。
長崎おくんち 龍踊り
東洋の龍と西洋のdradon は同じ?
どちらも英語でいえばdragonですが、
これまでみてきたように、東洋では龍は
基本的に、瑞獣(ずいじゅう)=吉兆を
表すいきものとされてきました。
一方、西洋でdradonはどうでしょう?
「悪魔」「邪悪な存在」です。
大概、神話の中に英雄の敵として登場します。
古くはシュメールの神話にはじまります。
新約聖書「ヨハネの黙示録」にも登場します。
まったく異なる扱いなのです。
文化的な違いを理解しておくとよいですね。
西洋でも現代では、悪といいつつ、
カッコいい存在として扱われることも
多いですよね。
龍にまつわる言葉
画竜点睛(がりょうてんせい)
→「最後の大切な仕上げ・肝」
昔、中国の絵の名人が、お寺の壁に龍の絵を描きました。
絵の仕上げとして、龍の瞳を描き入れると、
龍はたちまち壁から抜け出して、
雲に乗って空へ昇っていきました。
この言い伝えから、龍の瞳を描き入れることが、
物事の最後の大切な仕上げの象徴とされて、
「画竜点睛」という言葉が生まれたと言われています。
「画竜点睛を欠く」
→最後の詰めが甘い。仕上げができてない。
というマイナスの意味で使われることが多いです。
逆鱗(げきりん)に触れる
→「目上の人や地位の高い人を激怒させる」
「韓非子」の故事より
「龍のあごの下にある逆さに生えた鱗(うろこ)に
触れると、龍は怒ってその人を殺す」から
天子(国の統治者)の怒りを意味します。
なので、目下の人には使いません。
竜頭蛇尾(りゅうとうだび)
→「はじめは勢いがあったのに、尻すぼみになること」
頭は竜のように勢いがあったが、
尾は蛇のように、尻すぼみになることで、
「最初にあった勢いが、後半にはなくなっている様子」
を意味しています。
まとめ
日本の龍信奉は主に中国から伝わってきた、
西洋では東洋とまったく逆の退治すべき存在だ
ということがわかりましたね。