A Drop of Miracle Honey- ひと言Therapy 13
「A Drop of Miracle Honey- ひと言 Therapy」と題して、
心がふっと軽くなようなmessageを記すコーナーです。
先延ばし癖の理由
頭ではわかっているのだけれど、なかなか着手できない、
こういうことありますよね。
どうしてそうなってしまうのか、大きな要因となる傾向を
4つあげます。
1.誘惑に負けてしまう。
「テスト前になると急に漫画を読みたくなる、
ついついゲームをしてしまう」
ということがありますよね。
楽しいことに誘惑されてしまう、ということです。
今楽しいことを優先することの影響よりも、
今の楽しさ、をとってしまうわけですね。
2.やることの全体像を把握できていない
先延ばししてしまう心理には、ちょっとくらいいいだろう、
という甘えがあります。そのちょっとが全体に与える影響が
見えていない場合に、ちょっとちょっととズルズル後ろ倒し
にしてしまいやすいです。
3.失敗・困難に対する不安が大きい。
いわゆる「逃げ」「回避」ですね。
1のついついゲームをしてしまう、という行動の裏には
困難なことに立ち向かうことへの不安という心理がある場合も
あります。
目の前の困難から逃避して、今の楽しみを優先してしまうことを
「快楽のための妥協」と心理学者は呼んでいます。
4.完璧主義者である。
完璧主義者なのに、なぜ先延ばし?と感じる人も
いるかもしれませんが、完璧主義者の人は、失敗への恐怖心が
強い特徴があります。
「準備が整ったら始めよう」
と完璧に準備が整うまで着手を先延ばしにしてしまうのです。
先延ばしによる影響
1.ストレスが大きくなる
先延ばしていると、当然やらなければならないことは溜まった状態になります。
人は自分が攻めの姿勢で仕事をしているときより、
やらなければいけないと、追われている感覚のときでは
心理的ストレスには雲泥の違いがあります。
できていなかった自分へのストレスと、やらなければいけないタスク
の両方が押し寄せてくることになってしまうのです。
さっさとできなかった自分を攻めてしまい、
自信を失ってしまうこともあります。
2.アウトプットの質が悪くなる
締め切りがあるようなタスクでは、先延ばしにすれば、
取り組める時間に制限がかかりますので、アウトプットの質が
さがってしまう傾向にあります。
取り組んでみたら、思っていたより時間がかかるといったことも、
取り組んでみて初めてわかるからです。
取り組むまでの時間を無駄にしてしまうことは
生産性が良いとはいえない状態になります。
3.成功も先延ばしになる
失敗をおそれて、いつまでも始めなければ、
失敗することすらできない、だけでなく、
当然目指すゴールも遠のいてしまう、ということになります。
4.信頼や成長の機会を失う
先延ばししてしまった結果、締め切りを守れなかったり、
アウトプットの質が落ちたり、ということになると、
周囲から信頼されなくなってしまいます。
そうなると、声をかけてもらえなくなってしまい、
チャンスが巡ってこなくなってしまう、という事態を
引き起こします。
良いこと全然ありませんね。
それでは、先延ばし癖への対処法を紹介します。
心理学者のニール・フィオーレ(Niel Fiore)氏による
’The New Habit’ には、先延ばしをしないための方法が
紹介されています。
フィオーレ氏は、先延ばしは、だれにでもありうる心理で
タスクや決断への不安に対するためのメカニズムであり、
単なる怠けグセとはしていません。
自己嫌悪に陥る必要はないということですね。
先延ばしを防ぐ3つの方法
1.何に対して不安を感じているのかを把握する
不安には、
上司などに対する間接的な抵抗であったり、
失敗への恐れとして、言い訳ができる状態を確保しようとする心理であったり、
うまく行きすぎてしまうことへの恐怖などがあります。
「考えうる最悪の事態は何?」
「そうなったらあなたはどうする?」
「どうやってその難局を乗り切る?」
不安要素があれこれと肥大化して、先延ばしにしてしまいます。
漠然と不安という状態より、気にしすぎている自分に気づき、
なぜ?を理解することにより、
取り越し苦労だったり、大丈夫だと感じることができて、
ハードルが下がってきます。
2.時間の使い方を観察し、スケジュールを見直す
まずは、自分がどのような時間の使い方をしているのかを知ること。
一日のスケジュールを記録して、何にどれだけ使っているかをみえる化します。
大切なことは、事実を把握することです。
フィオーレ氏の推奨は、「予定を外す」です。
24時間みっちり予定を詰め込むのではなく、
人として生きる時間が必要なのです。
家族との団らんの時間やリラックスする時間も視野にいれて
考えることで、タスクに割く時間が現実的にワークするように
なるということです。
「べき」的視点で、タスクを詰め込みすぎない、ということですね。
また、長時間いきなりやろうとせず、短時間集中して取り組む設定
にすることを薦めています。
タスクを分解して、この30分でこれをやる、という風に設定するわけですね。
先にすきなゲームをダラダラとやってしまったときは
やるべきこを先延ばしにしている自分の罪悪感と向き合いながら
ゲームをしている自分に気づいていることが多いのではないでしょうか。
この30分、タスクを終えたらゲームをしよう、のサイクルに変えれば
自分にエクスキューズする必要もなく、ご褒美としての満足感とともに
心からゲームを楽しめます。
どっちがいいか、理解して、後者のほうがいいよね、ということで
先延ばしを回避するわけです。
3.攻めのポジティブ視点に立つ
だれでも、やらばければならない、といった義務感だったり、
本当はもっと遊びたいのに、という悲壮感だったり、
怒られたくないから、という強迫感の元にタスクに取り組むと
どうしてもネガティブな気分になってしまいます。
先延ばし癖のある人は、マイナス思考である傾向があるようです。
視点を、「これをやったら、ケーキを食べよう」といったご褒美や
「タスクを終えた自分はえらい」と満足感に着目すると、どうでしょう?
景色がまったく違って見えるはずです。
もりもりと攻めの姿勢になってくるのではないでしょうか。
フォーカスする視点をポジティブなところにおく、という
ことがポイントです。
まとめ
今回は、「先延ばし癖」について、紹介しました。
どうしてもすぐに行動できない自分を攻めてしまいがちですが、
原因や心理的背景を理解しておくと、それだけでも気分がラクになりますよね。
また、先延ばしは絶対NGと厳しくしすぎても、
かえって息苦しくなりすぎてストレスがたまってしまい、
うまくいかないので、意図的にたまには、ダイエットのCheat Day
(好きなものを食べていい日)のように、気分が乗らない日は、
思い切って、休息日にしてしまい、リフレッシュに充てる、
というような自分への寛大さも必要ではないかと思います。
苦しみの気分ではなく、楽しみと組み合わせながら、
ポジティブ気分で取り組む工夫が大切、ということですね。
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