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世界の様々な刺繍と特徴③ーノルウェー~フィンランド
前回は世界の様々な刺繍と特徴②で東欧の刺繍を
紹介しました。
今回は北欧の刺繍を中心に見ていきましょう。
ノルウェー刺繍 ハータンガー(Hardanger)
ノルウェーの西南海岸にあるハータンガー地方
発祥の刺繍です。
16世紀にイタリアから伝わり、独自の技法として
発展しました。もともとは民族衣装に使用されて
いるものですが、室内の装飾、テーブルクロスや
コースターなど様々な用途に使われています。
特徴は、
・白い麻布に白い麻糸で刺す、
レースのように繊細な仕上がり。
・花や星などの幾何学模様を糸を引き抜いて
透かし彫りのような仕上がり。
本の紹介:小野寺美智子著
「ハーダンガー―ノルウェーの伝統刺繍」
スウェーデン刺繡 ナーベルソム(NÄVERSÖM )
ナーベルソム(NÄVERSÖM )といわれる刺繍が
代表といえるでしょう。
1600年代から伝わっている伝統技法です。
ハックウィービング(Huck Weaving)や
スウェディッシュウィービング (Swedish Weaving)
といったステッチは、日本でも一時期とても
人気になりました。
Weaving=織ること
というように、布に糸を刺すというより、
布の織り目に糸を通して模様を作っていきます。
専用の布、布目がすくいやすいように先が曲がった
専用の針があります。
白い麻布、白い糸でレースのような風合いの
透かし彫りが特徴です。
本の紹介:ヤマナシ・ヘムスロイド著
「ナーベルソム」
デンマーク刺繍 ヒーダボー(HEDEBO)
1760年代からデンマークのヒーダボー地方に
伝わる伝統刺繍。農民たちから始まり、
コンペンハーゲンの中産階級から全土へ、
そして1862年ロンドン万博で世界に広がった
と言われています。
同様に、白い麻布、白い糸でレースのような風合いの
透かし彫りが特徴。
本の紹介:「デンマークのちいさな刺繍」
フィンランド刺繍 カレリア(Karelia)
南東部ロシアにまたがるカレリア地域
発祥の刺繍。
表と裏が同じ模様になるのが特徴。
幾何学模様や鳥・トナカイ・花・植物など
自然のモチーフが多く用いられます。
鳥は幸せを運ぶ象徴、ハートは幸福や
愛、など、パタンそれぞれに意味が
込められているそうです。
本の紹介;TENIJ OLLILA著
「フィンランド カレリア地方の刺繍とドロンワーク」
北欧4か国の刺繍をみてきました。
白刺繍が多かったですね。
世界刺繍めぐりはまだ続きます。