Contents
国旗の色の意味③ー7か国紹介(タイ~カナダ)
国旗の色の意味シリーズの①②で
15か国の国旗の色の意味を
紹介しましたが、
今回は③として、さらに7か国を
紹介していきます。
タイからスタートします。
タイ:王室を中心とする国民の団結心
タイ王国の国旗は「ธงไตรรงค์ (Thong Trairong、
トン・トライロング) 」(三色旗)と呼ばれます。
真ん中の紺の部分が広くなっています。
青=国王
白=宗教(建国の伝説に登場する白象に由来)
赤=国家、および国民の団結心
全体として、王室を中心とする国民の団結心、
小乗仏教への高い信仰心を象徴しています。
ラーマ6世(ワチラーウット王)が洪水被害を
受けた地域を訪問していた時に国旗が逆さまに
掲揚されているところを発見しました。
このことがきっかけとなって、二度と起こらないように
上下左右対称のデザインになったと言われています。
国旗逆掲揚事件(1910年)といわれます。
生まれた曜日にによって、色が決められている
タイでは、生まれた曜日の色のものを身に着けたり、
自分の曜日の仏像を拝むことで幸せになれると
言われています。
日曜日:赤
月曜日:黄色
火曜日:桃色
水曜日:緑色
木曜日:オレンジ色
金曜日:青色
土曜日:紫色
インド:ヒンズー教とイスラム教が和解して平和に
オレンジ(サフラン)・白・緑の3色
の真ん中にアショーカ・チャクラ
という法輪があります。
3世紀頃のインドの神殿の柱にある
贈り物です。
24の車輪は、1日の時間を表しています。
オレンジ(サフラン)=ヒンズー教
白=平和(2宗教の和解、その他含めた平和)
緑=イスラム教
を表しています。
ベトナム社会主義共和国:5階層の団結
そのデザインの通り「金星紅旗」と呼ばれ、
赤は社会主義国に共通の色。
赤=革命に流した戦士の血
黄色の星の光=5階層(労働者・農民・知識人・青年・兵士)の団結
ベトナム民主共和国(北ベトナム)で採用され、
1955年に星の形が変更され、南北統一が実現した後も
使用されています。
アルゼンチン:軍服から採用された色
青・白・青の3層の真ん中に太陽のデザイン。
この太陽は「五月の太陽」と呼ばれます。
インカ帝国の独立の象徴である太陽神
インティが表されています。
独立戦争開戦の5月25日に、長雨が止んで
パッと晴れ上がり、太陽が出たという
故事に由来します。
五月革命時の軍服の色から採用されました。
水色=海、空、正義、真実、友情
白=ラプラタ川、純粋な国民気質
チリ:白い星は国家統一のシンボル
下半分に赤い帯、上半分に白い帯と青い正方形に囲まれた白い星で構成されており、青い正方形は白帯と同じ高さである。
赤=独立のために流された血
白=アンデス山脈の雪
青=澄んだ空と海
星=名誉と進歩
採用色がアメリカの星条旗に似ているのは、
理想としたからという説もあります。
メキシコ:中央の鷲は国章
緑、白、赤の三色の真ん中に国章
が記されているデザイン。
色の意味は1つに規定されていませんが、
当初は
緑=独立
白=宗教
赤=統一
でしたが、のちに、
緑=民族の運命における国民の希望
白=カトリックや宗教的な純粋さ、団結
赤=独立戦争の英雄達が流した血
といわれるようになりました。
中央の国章は湖に突き出た岩に生える
サボテンに立つ鷲が蛇を咥えています。
これは、アステカ神話にある
「サボテンの上に止まって蛇を食らう鷲
がいる場所を見つけたとき、
その場所こそが富と力のある土地である」
というお告げを受けて、今のメキシコシティ
の土地を見つけたという伝説に由来しています。
大韓民国:陰陽が一つとなって万物を創造する
「太極(テグ)旗」と言われます。
白は平和の精神、中央の円は太極といって宇宙を表し、青は陰を、赤は陽を示し、陰陽が一つとなって万物を創造することを表している。記号は易の掛で、乾☰・ 坤☷と坎☵・離☲が一対になって万物の対立と均衡を示している。
白=平和の精神
円=太極の宇宙(青=陰、赤=陽)、万物は陰陽によって調和統一をなす
四つの四角い記号(易の卦 乾・坤・坎・離)=東西南北、天地火水など万物は対比により和合する
カナダ:白は雪の降る様子、赤は太平洋、大西洋
赤白赤で、中央に赤いサトウカエデが
配されているデザイン。
英語ではThe Maple Leaf Flag
サトウカエデ=カナダを代表する木で、
メープルシロップが作られます。
開拓時代の食料のない冬の期間、
先住民の教えでカエデの樹液をすすって
飢えをしのいだという厳しい自然の中での
暮らしを表しています。
12本のトゲは10州と2準州を
意味しています。
白=雪の降る様子
赤=右:大西洋、左:大西洋
*戦争で戦った人達が流した血、という説もあります。
まとめ
今回の中で、普段何気なくみていたけれど、
たくさんの意味を込めているのだな、
と認識したのは大韓民国の国旗ですね。
陰陽と易の卦を国旗に入れるとは、
かなり思想性が反映されているなと
感じました。
アメリカ、中国、イギリスなどの大国を
紹介してないのですが、
逆に有名でご存じの方も多いと思いますので、
国旗シリーズは、いったん③までで
区切りとさせていただきます。