刺繍

世界の様々な刺繍と特徴⑦ーミャンマー~日本

世界の様々な刺繍と特徴⑦ーミャンマー~日本

KIMONO

世界の刺繍を紹介するシリーズも7回目。
今回でいったん区切りとしたいと思います。

世界の様々な刺繍と特徴⑥では、
ベトナム、タイなどアジアの刺繍を中心に
紹介しました。今回も引き続きアジアの
刺繍を見ていきます。

ミャンマー刺繍 ナガ族(NAGA)

ナガとは首飾りの意味。
ミャンマー北西部に暮らすナガ族は
約200万人といわれ、言葉や風習で
さらに多くの支族にわかれています。
深い森、険しい山に閉ざされ、長い間
外部との接触が困難だったために、
「世界でもっとも孤立した民族の1つ」
といわれます。

彼らの刺繍は、コットンの手織り布に、
日常生活、身近な動物、身の回りの品々など、
素朴でユーモラスな図柄が特徴です。

バングラディッシュ刺繍  ノクシカタ

ノクシ=デザイン
カタ=布
ノクシカタで「デザインした布」の意味。
家庭で親から子へ受け継がれてきた伝統的
な刺繍です。
使い古したサリー(女性用の衣装)や、
ルンギ(男性の衣装)を2~4層に重ねあわせて、
再利用した実用的な技術です。

生活用品や農耕器具、花、動物、神、
モスクなどのモチーフがよく用いられます。
意味は、

象:富の象徴
魚;多産
船:旅立ち、旅の無事
蓮:生命、極楽浄土

中国刺繍 蘇州

蘇州刺繍とは、約2500年前の
中国春秋時代を起源とし、
広州・四川・湖南と並んで
中国4大刺繍の1つです。
平刺繍ともいわれ、平糸を使います。
平糸とは、生糸に撚りをかけずに
合糸したやわらかい糸のことです。
色彩が鮮やかで艶やかです。
1本の糸をさらに細かく、多い時には
36分割くらいまでに分けて、繊細に
表現をしていき、まるで絵画のように
仕上げます。

本の紹介;奥村 忍 , 石田 エリ他
「中国手仕事紀行 (雲南省・貴州省)」

日本刺繍

日本刺繍は、絹の布地に絹糸で刺します。
刺繍台の枠に生地を張り、両手を使って
刺します。
最古は飛鳥時代に始まり、貴族の衣装や
芸能の衣装、そして嫁入り衣装、
相撲の化粧廻し、日本人形など、
和装とともに発展してきました。

モチーフとしては、鶴、亀、龍などの
おめでたい生き物や、菊などの花、
家紋がよく施されました。

本の紹介;沖文著
「日本刺繍の「いろは」

世界、31か国の刺繍を紹介してきました。
地域それぞれの歴史や文化に根付いた特徴がとても
興味深いですよね。
まだまだ紹介していない刺繍が世界にはあります。
また機会があれば。

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