刺繍

世界の様々な刺繍と特徴⑥ータイ~韓国

世界の様々な刺繍と特徴⑥ータイ~韓国

Vietnam ao dai

世界の刺繍を紹介するシリーズ⑤では
メキシコ~モンゴルまでを見てきました。
今回はアジア、タイから始めます。

タイ刺繍 モン(Hmong)

「モン(Hmong)は「空の民」を意味
します。モン族は、もともと文字を
持たず、歴史や民話を刺繍で表現
しました。民族の誇りや技術を
刺繍を通して伝えてきました。

モン族は、白モン族、黒モン族、青モン族、
縞モン族など複数の支族に分かれており、
民族衣装で見分けることができます。

モン族の装飾は、美しいだけでなく、
先祖へのリスペクトや家族の幸福の
願いが込められています。
鳥や蝶などの生き物、植物、生活の様子
などがモチーフになっており、
悪いものが外との境目から入ってくることを
防ぐ役目を担っています。
技術やモチーフは時代とともに
支族を超えて影響しあい、
変化しています。

本の紹介:Ann Goldman著 坂口 里香訳
「ヤオ族の刺しゅう 文様に込められた祈りと移住の物語」

*こちらはヤオ族の刺繍本になります。

ベトナム刺繍

アートのような大作の刺繍や
アオザイ刺繍などベトナムは刺繍大国。
日本でもかわいらしいバックやポーチなど
人気ですね。
ほとんどが機械を使わず、手刺繍で
刺されます。
17世紀から19世紀にかけて、
中国やフランスの文化を吸収しながら
華やかに発展してきました。

ベトナムの刺繍は伝統的に錦糸を使い、
自然な色合いを表現するのが特徴です。

インド刺繍 グジャラート・ミラーワーク

インドには、カシミールのアリ刺繍、
コルタカのカンタ刺繍、ラクノウのチカン刺繍
など、地域により様々な技術が伝わっているが、
ここでは、グジャラート州のミラーワーク
を紹介します。

ミラーワークは、庶民の家庭で発展しました。
王族の方々の高価な宝石や金銀の糸などで
豪華に装飾された衣装にあこがれて、身近な
ミラーで代用したのが始まりといわれています。
丸いミラーを縫い付けるものが多いが、
涙型や、三角・四角などの形が用いられる
ケースもあります。
貴重な糸を無駄にしないように工夫がされており、
裏には糸がほどんど通っていません。
ミラーは魔除けの意味があるといわれています。
部族、宗教、社会的な役割などで刺繍の量や
文様に違いがみられます。

韓国刺繍

韓国の刺繍は、王宮の刺繍である宮繍と民繍があります。
宮繍は画家が絵を描き、染色家が布や糸を染める、
そして刺繍家が刺すというようにして制作され、
美しく上品に仕上げられます。
民繍は、技法や素材も自由度高く、日常品から装飾品まで
幅広く用いられます。

本の紹介;崔 良淑著
「福を繍う吉祥紋様の韓国刺繍」

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