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世界の様々な刺繍と特徴⑤ーメキシコ~モンゴル
前回の世界の様々な刺繍と特徴④に続き、
世界の刺繍紹介シリーズ、
今回も紹介してきます。
今回はメキシコから、いってみましょう!
メキシコ刺繍 テナンゴ(Tenango)
テナンゴ刺繍またはオトミ刺繍といわれます。
メキシコの北東部のイダルゴ州テナンゴ地方
に暮らすオトミ族が受け継いできた刺繍柄です。
マンタと呼ばれる白い布に、鳥、花、動物など
をカラフルな糸で刺繍されています。
色使いは、カラフルな配色、グラデーションの
パターンがありますが、いずれもとても独創的
です。
表面をみるとサテンステッチのように見えますが、
裏面をみると通常のサテンステッチとは異なります。
ワクワクさせるその図柄はとても人気で、
HERMESのスカーフの柄にもなっていました。
本の紹介;小澤典代著
アメリカ刺繍 バージェロ(BARGELLO)
バージェロ刺繍は、美しい幾何学模様で、
キルト、ベッドカバー、ラグなどに
よく用いられます。
本の紹介:Mollie Hines著
「アメリカの伝統的なバージェロ刺繍のパターン」
パナマ刺繍 モラ(MORA)
パナマのカリブ海のサンブラス諸島に住む
先住民クナ族の民族衣装が起源です。
クナ語でモラは「服」「飾り布」の
意味です。
モチーフは、
猿:神様の使者
鷹:戦い
といった動物や、
迷路:人生、天国への道
のように抽象化された図案など
多数あります。
色彩は鮮やかで赤、青、黄、オレンジなど
原色が多く使われ、コントラストの強い配色で
強調しています。
パッチワーク、キルトのように
布を重ねてたてまつりでまつる
のが基本です。
自由で生命力にあふれた魅力に
多くの人々がひきつけられ、
モラを求めて観光客が訪問する
ようになりました。
本の紹介;中山富美子著
「mola(モラ)―中山富美子の手芸 南の島へ原始を訪ねて」
ペルー刺繍 アヤクーチョ(AYACUCHO)
ペルーのアンデス地方にあるアヤクーチョ
に伝わる刺繍です。
羊毛糸を使い、ふっくらと立体的になって
いるのがとてもかわいらしいです。
花や鳥のモチーフでカラフルな色使い
が多いです。
モロッコ刺繍 フェズ(FEZ)
モロッコ北部のフェズに伝わる刺繍です。
幾何学的の模様で表と裏がリバーシブルに
なっているのが特徴です。
縦横ナナメの線で構成します。
本の紹介;アタマンチャック中山奈穂美著
「はじめてのフェズ刺繍: 表も裏も美しいモロッコ伝統の刺繍技法と図案」
モンゴル刺繍 カザフ(Қазақ)
モンゴルのカザフ民族の代表的な技法に、
かぎ針を使った刺繍があります。
カザフのかぎ針は、先端が鋭く
ある低程度の太さがあるものを使用します。
スプーンの持ち手や編み物のかぎ針など
身の回りにある物を削り直して作られる
ことがよくあります。
強い色のコントラストが用いられることが
多いです。
本の紹介; 廣田 千恵子、カブディル アイナグル著
「中央アジア・遊牧民の手仕事 カザフ刺繍: 伝統の文様と作り方」